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オータベトナムの柔軟な調達サービスが製造現場に与える価値

オータベトナムの柔軟な調達サービスが製造現場に与える価値

はじめに

ベトナム製造業はここ数年で急速に拡大し、外資系を含む企業の新規投資が増加しています。とりわけ日系企業の進出は活発で、進出企業の約8割が製造業というデータも報告されています。こうした中で「現地サプライヤーの品質や納期が読みづらい」「少量多品種の部品をまとめて発注できない」といった調達課題が顕在化しています。

出典: JETRO「ベトナム裾野産業 優良企業」

オータベトナムは、こうした実務課題を解決するために柔軟な調達サービスを提供しています。JETROの優良企業リストや独自データベースで選定したパートナー工場を活用し、日本語・英語・ベトナム語の三言語によるワンストップ対応、ISO/JISに準拠した品質管理、そして総コスト最適化を実現するのが特長です。「チャイナ+1」戦略で調達先を多角化したい企業にとって、安全かつ効率的にベトナム調達へ踏み出せる仕組みをご用意しています。

本記事では、製造業の購買・資材担当者の皆さまに向けて、ベトナムにおける調達環境の最新動向とGISオータベトナムのサービス活用法を具体例とともに解説します。読み終えた後に、御社の調達戦略をアップデートするヒントを得ていただくことが本稿の目的です。

ベトナム調達サービスで解決する製造業の課題

概要 ― ベトナム調達の魅力とリスク

ベトナムは近年「チャイナ+1」戦略の最有力候補として脚光を浴びています。平均製造業賃金は2024年時点で月額304〜340米ドル相当と、中国沿海部のおよそ半分以下にとどまり(時給では中国6.5ドルに対しベトナム3ドル)、さらにCPTPPやRCEPといった大型FTAの発効で関税メリットも享受できます。これにより調達コストを最大30%削減した事例も珍しくありません。また米中摩擦や地政学リスクの高まりを背景に、部品サプライチェーンを多国化する需要は年々強まっており、2025年上期の対ベトナムFDIは前年同期比8.1%増の117億ドルと過去最高の水準で推移しています。

出典: VietnamNet「Vietnamese workforce sees more money in their wallets for 2024」Vietnam News「Foreign investment inflows rise to $21.5 billion in the first half of 2025」

一方、エレクトロニクスや医療機器など高付加価値分野では「少量多品種」「短納期」への対応力が競争力を左右します。ホーチミン・ビンズオン・ハノイ周辺には自動旋盤や精密板金など中小サプライヤー集積が進み、柔軟な生産体制を確立。実際、現地企業でも“multi‑variety, small‑quantity production is the norm”と掲げ迅速な試作窓口・固定便による小口配送を整備する動きが見られます。

出典: Ohta Vietnam「Ohta’s Strengths」

こうした環境下でGISオータベトナムは、日系品質基準を満たすパートナー工場を150社以上束ね、調達・検査・物流をワンストップで提供します。日本語・英語・ベトナム語の三言語対応により図面照合や異常処置を即時共有し、ISO/JIS準拠の品質マニュアルとIoT可視化ツールでリードタイムを平均30%短縮。お客様は複数カテゴリーの部品を「1窓口」「1インボイス」で発注できるため、調達コストの削減とサプライチェーン分散を同時に実現できます。

詳細解説 ―オータベトナム調達サービスの強み

(1) サプライヤーネットワークと優良企業選定基準(JETRO情報活用)

オータベトナムが連携するパートナー工場は2025年現在で150社超。その約7割がJETROの「ベトナム裾野産業 優良企業」リストに掲載されており、当社はこれを一次フィルターとして活用します。さらに独自監査で「ISO 9001取得」「自己不良率0.5%以下」「財務健全性(自己資本比率20%以上)」という3要件を満たす企業のみを登録。毎年の再評価と定点監査により継続的改善状況をチェックし、新規調達でも量産立ち上げでも品質リスクを最小化しています。

(2) 品質管理・トレーサビリティ:ISO・JIS規格、IoT活用による可視化

全登録サプライヤーの85%がISO 9001、62%がISO 14001を取得済み。図面・工程表・検査成績書を日本語+英語で共有し、バーコードおよびIoTセンサー連携のトレーサビリティシステムで“いつ・どこで・誰が”をリアルタイムに把握します。TechSci Researchによれば、ベトナム製造業では2028年までにIoTセンサー導入率が年平均15%で成長し、品質不良を平均27%削減した事例が報告されています。

(3) コスト最適化:総コスト視点でのベンチマーク事例

部品単価だけでなく在庫金利・輸送費・検査コストを含む“Total Cost of Ownership(TCO)”で比較すると、ベトナム調達は中国沿海部に対し平均17〜32%の削減効果が確認されています。欧州家電メーカーがオータベトナム経由でプレス部品をベトナムに切り替えた事例では、従来比28%のコスト低減と不具合対応工数60%減を達成しました。

(4) リスクマネジメント:納期遅延/品質不良の未然防止プロセス

オータベトナムでは「二重化サプライヤー+週次リスクレビュー+IoT可視化」の3層防御を採用。具体的にはA・Bランク2社体制でバックアップを確保し、納期遵守率を月次で可視化。TACHANレポートでも、サプライチェーン可視化と多元化がベトナム主要リスク低減策として推奨されています。品質面では工程内検査のデジタル記録をAIで解析し、閾値外データを検知した時点で自動アラートを発報。2024年度量産案件では納期遵守率97.8%、初回合格率99.2%を維持しました。

(5) 事例紹介:日系企業A社の切削加工部品調達(良品率99.9%、リードタイム▲30%)

日系医療機器メーカーA社は精密切削シャフト(月間3,000本)を中国からベトナムへ切替。オータベトナムが提示したマルチ工程最適化で段取り換え時間を40%短縮し、リードタイムを従来20日→14日に短縮。稼働初年度の良品率は99.9%を達成し、不良解析工数も35%削減しました。A社品質保証部長は「緊急オーダーも含め一括窓口で対応してくれる点が最大のメリット」と評価しています。

実務への応用 ― 製造現場での導入ステップ

ステップ1:現行調達プロセスの棚卸しとKPI設定

まずは自社の現行調達フローを“可視化”し、部品カテゴリー・発注ロット・リードタイム・品質不良率といったデータを洗い出します。そのうえで〈納期遵守率95%以上〉〈初回合格率99%以上〉〈TCO▲15%〉などSMART原則に沿ったKPIを設定し、評価サイクル(例:月次レビュー)を決定します。

チェックリスト例

  • 調達品目/サプライヤー別に年間購買額を把握している
  • 不良率・納期遅延率を定量で測定できる仕組みがある
  • KPI達成状況をダッシュボードで月次確認している
ステップ2:オータベトナムとの要件定義ワークショップ

オータベトナムの調達コンサルタントが参加し、図面・規格・必要数量・検査基準を日本語/英語で擦り合わせます。ここで「ロットサイズが可変」「工程内検査データを共有」などの特殊要件を明確化し、最適なパートナー工場を2〜3社に絞り込みます。ワークショップ終了時には合意済KPIと作業分担表(RACIチャート)をドキュメント化し、リスクと対策を合意します。

ステップ3:試作・パイロット調達と評価

最小ロットで試作品を発注し、下記のチェックリストで総合評価を行います。

パイロット評価チェックリスト

  • 寸法/外観検査結果が図面公差内
  • 納期遵守(予定±0日)
  • 英語・日本語での不明点照会レスポンスが24h以内
  • コスト差異(見積もり比±2%以内)
  • トレーサビリティ情報がシリアル単位で取得可能

クリアできない項目があった場合は是正措置を確認し、再試作または別工場にスイッチします。

ステップ4:本格導入と継続的改善(IoTダッシュボード活用)

量産立ち上げ後はオータベトナムのIoTダッシュボードでKPIをリアルタイム監視。工程内センサーから収集した温度・振動・加工時間のデータをAI解析し、異常値をメールとLINE WORKSで自動通知します。TechSci Researchによると、ベトナム製造業でIoT可視化を導入した企業は不良率を平均27%削減しています。

ベトナム拠点+日本本社連携によるコミュニケーション最適化

オータベトナムはホーチミン/ハノイ拠点と日本サポートデスクを設置し、時差1〜2時間の範囲で即時対応を実現。図面変更や特急オーダーは日本語→ベトナム語→工場現場へ10分以内に展開し、同時にクラウド共有フォルダへ最新版をアップロードします。これにより言語・文化差による誤解を最小化し、調達リードタイム短縮とトラブル防止を両立します。

まとめ

  • ベトナム調達の主要メリット:平均賃金の低さとFTA活用で最大30%のコスト削減、サプライチェーン分散によるリスク低減。
  • オータベトナムの強固なサプライヤーネットワーク:優良企業150社超・三言語対応で図面不整合ゼロを実現。
  • 品質と納期を同時に可視化:ISO/JIS準拠+IoTダッシュボードで納期遵守率97.8%、初回合格率99.2%を達成。
  • TCOベンチマークでコスト最適化:部品単価だけでなく在庫・検査・輸送費を含め平均17〜32%低減。
  • 三層防御のリスクマネジメント:二重化サプライヤー×週次レビュー×AIアラートでトラブル抑止。

調達戦略見直しへの提言

  1. KPI再設定:リードタイム・不良率などSMART原則で具体化し、月次ダッシュボードで追跡。
  2. スモールスタート:小ロット試作→パイロット→量産の3段階でリスクを最小化。
  3. IoT可視化の導入:工程内データをリアルタイム共有し、異常検知を自動化。
  4. 日越クロスファンクショナル体制:日本本社とベトナム拠点の役割を明確化し、10分以内の図面更新プロセスを構築。

さいごに

サンプルや資料などのご相談は本メールにお返事いただくか、弊社担当営業までご相談ください!

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