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高速生産ラインにおいては、わずかな作業効率の差が生産全体の歩留まりや納期に直結します。その中でも、部品同士を結合する「締結技術」は、品質と生産性を同時に担保する重要な要素です。本記事は、自動車、電子機器、航空分野など高速生産を前提とする製造業の現場担当者や調達・品質保証部門の方々を主な読者として想定しています。締結技術の最新動向と革新的事例を紹介し、現場改善や導入のヒントを提供することを目的としています。
従来のボルト・ナットによる締結は、作業者の熟練度や工具の状態に左右されやすく、トルクのばらつきや締結不良が発生するリスクを抱えていました。また、1本ごとの締付けに時間がかかるため、タクトタイムの長期化が生産ライン全体のボトルネックとなるケースも少なくありません。
さらに、製造業の現場では多品種少量生産が主流となり、ライン切り替えの柔軟性や短納期対応が不可欠になっています。加えて、人手不足による省人化の必要性、品質保証強化への社会的要求、海外拠点を含むグローバル調達に伴うコスト・リードタイムの最適化といった課題が複合的に絡み合っています。こうした背景から、高速かつ高精度で、誰でも均一に扱える新しい締結技術が求められるようになっています。
高速生産ラインにおける最新の締結技術は、大きく三つの革新的アプローチに分けられます。
まず「高速締結ネジ」です。摩擦式、プリセット式、ポジロック方式といった方式があり、それぞれタクトタイム短縮やトルクばらつきの低減に効果を発揮します。例えばプリセット式では、所定のトルクに達すると自動で締結が完了する仕組みを持ち、作業者の熟練度に依存せず品質を一定に保てます。
次に「サーボプレス機構+CFRTPリベット」です。熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)をリベット材に用いることで、従来よりも軽量かつ高強度の接合を実現。サーボプレスと高速加熱技術を組み合わせることで、7秒という短時間でリベット成形を可能にし、省スペース設計であり、さらにロボット搭載にも対応可能な生産システムが構築されています。
さらに「IoT・AIによるトルク管理と履歴管理」も重要です。電流制御式ドライバーやトルクセンサーを活用することで、リアルタイムで締付状態を監視し、不良の未然防止やトレーサビリティ確保を実現。AI解析を組み合わせれば、工程ごとの最適な締結条件を自動で導き出し、生産性と品質を同時に向上させることが可能です。
自動車業界では、従来のボルト・ナットから高速締結ネジに切り替えることで、1本あたりの締結時間を大幅に短縮し、結果としてタクトタイムを約80%削減、ライン全体の工数も20%程度減少しました。さらにトルク履歴をデジタル管理することで、品質監査時のデータ提示も容易になり、顧客からの信頼性も高まりました。
電子機器組立の分野では、微小トルク領域での安定性が重要視されます。最新のドライバーや制御システムを導入することで、ナメり(ネジ頭がつぶれる不良現象)発生率を50%低減し、タクトタイムも10%短縮。高精度な製品品質を確保しながら、生産効率を両立させています。
ベトナムの製造業においては、現地調達による高速締結ネジの導入が進んでいます。輸送リードタイムを30%短縮し、調達コストを15%削減することで、ROI(投資回収期間)もわずか4か月で達成。さらに少量多品種ラインの稼働率を20%向上させる成果を上げています。
また、航空・自動車分野ではCFRTPリベットの応用が始まっています。軽量かつ高強度な特性を活かし、サーボプレス機構との組み合わせにより、従来困難だった高速かつ省スペースの締結が可能となり、製品設計の自由度向上にも貢献しています。
高速生産ラインに新たな締結技術を導入する際には、段階的なアプローチが効果的です。まずは現状のタクトタイム(1サイクルあたりの作業時間)や不良率を可視化し、課題を明確化することが出発点となります。次に、摩擦式やプリセット式ネジ、サーボプレスなど、自社製品やライン構成に最も適合する技術を選定します。そのうえで小規模な試験導入を実施し、実データを収集しながら効果を検証します。
IoTを活用したトルク管理や締結履歴の設定は、品質保証体制の基盤となります。また、海外拠点を含む場合は現地調達を積極的に取り入れ、コストとリードタイムを最適化することが重要です。さらに、作業者教育やメンテナンス体制を整備することで、長期的に安定した運用が可能となります。
調達・品質管理のチェックリストとしては、「締結工具や部品の規格適合確認」「トルク管理データの保存・活用」「定期的な設備点検」「現地パートナーとの連携体制」などを盛り込み、導入効果を最大限に引き出すことが推奨されます。
本記事で紹介した革新事例からは、高速化・品質安定・省人化・グローバル最適化といった複数のメリットが得られることが明らかになりました。高速締結ネジは従来の工程を効率化し、CFRTPリベットは軽量化と高強度を両立する新しい選択肢として注目されています。さらにAIやIoTを組み合わせることで、リアルタイムの品質保証や予知保全が可能となり、スマートファクトリー化への道が開かれます。
導入を検討する際には、まず小規模なラインや一部工程で試験導入し、効果をデータで確認することが重要です。そのうえで全社的な展開へと進めば、投資効果を最大化しつつ安定的な生産基盤を築くことができるでしょう。
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