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製造現場でよく使われるネジサイズ:規格別早見表

製造現場でよく使われるネジサイズ:規格別早見表

はじめに

製造現場において、ネジはまさに縁の下の力持ち。目立たない存在かもしれませんが、機械や製品を組み立てる上で、なくてはならない重要な部品です。ネジがなければ、私たちの身の回りにある自動車、家電製品、家具など、あらゆるものがバラバラになってしまいます。

ネジの役割は、単に部品を固定するだけではありません。適切なネジを選び、正しく締め付けることで、製品の安全性や耐久性を確保することができます。逆に、不適切なネジを使用したり、締め付けが不十分だったりすると、製品の故障や事故につながる可能性もあるのです。

ネジ選定の基本は、サイズ、規格、材質の3つの要素を考慮することです。

  • サイズ: 取り付ける部品の厚みや、ネジ穴の大きさに合わせて選びます。
  • 規格: メートルねじやインチねじなど、使用する場所や部品に合わせて選びます。
  • 材質: 鉄、ステンレス、チタンなど、使用環境や必要な強度に合わせて選びます。

これらの要素を総合的に判断し、最適なネジを選ぶことが、製造現場における品質管理の第一歩と言えるでしょう。

この記事では、製造現場でよく使われるネジについて、規格別の早見表を中心に、その種類、用途、締め付けトルク、材質、強度など、必要な情報を網羅的に提供します。ネジに関する知識を深め、日々の業務に役立てていただければ幸いです。

1. ネジのサイズと規格

ネジのサイズと規格は、使用する場所や用途によって多岐にわたります。ここでは、製造現場でよく使われる代表的なネジ規格について、早見表形式でご紹介します。

メートルねじ(Mねじ)

メートルねじは、ミリメートルを単位としたネジで、日本やヨーロッパで広く使用されています。JIS B 0205 規格に基づいています。

早見表:代表的なMねじのサイズ

呼び径 (M) ピッチ (mm) 代表的な工具サイズ (mm)
M3 0.5 5.5
M4 0.7 7.0
M5 0.8 8.0
M6 1.0 10.0
M8 1.25 13.0
M10 1.5 17.0
M12 1.75 19.0

インチねじ

インチねじは、インチを単位としたネジで、主にアメリカやイギリスで使用されています。ユニファイねじ(UNC/UNF)やウィットねじ(BSW)などの規格があります。

早見表:代表的なインチねじのサイズ

呼び径 (inch) ピッチ (山/inch)
1/4 20 (UNC)
1/4 28 (UNF)
3/8 16 (UNC)
3/8 24 (UNF)
1/2 13 (UNC)
1/2 20 (UNF)

管用ねじ

管用ねじは、配管や流体を密閉するために使用されるネジです。テーパねじ(R/PT)と平行ねじ(G/PF)の2種類があります。

早見表:代表的な管用ねじのサイズ

呼び径 ピッチ (mm)
R1/8 0.907
R1/4 1.337
R3/8 1.337
R1/2 1.814

その他のネジ規格

上記以外にも、様々な用途に応じたネジ規格が存在します。必要に応じて、専門の資料などを参照してください。

2. ネジの種類と用途

ネジは、その形状や用途によって様々な種類があります。ここでは、一般的なネジの種類と、製造現場でよく使われる特殊用途のネジについてご紹介します。

一般的なネジの種類

ネジの種類 用途 特徴
木ネジ 木材の接合、固定 軸部にネジ山があり、先端が尖っている。木材にねじ込みながら締結する。
タッピングネジ 金属や樹脂にネジ山を形成しながら締結する 下穴加工が不要。効率的な締結が可能。
ボルト ナットと組み合わせて使用 強固な締結が可能。機械部品の固定などに使用。
小ネジ 機械部品や電子機器の組み立てなどに使用 頭部が小さく、様々な形状がある。

特殊用途のネジ

ネジの種類 用途 特徴
ドリルビス 金属板などの締結に使用 先端がドリル形状になっており、下穴加工が不要。
コーススレッド 木材の粗組み、石膏ボードの固定などに使用 ピッチが粗く、木材への食い込みが良い。
その他 各種用途に応じた特殊ネジ 必要に応じて、専門の資料などを参照してください。

3. ネジの締め付けトルク

ネジの締め付けトルクは、ネジの緩みや破損を防ぎ、製品の安全性を確保するために非常に重要です。適切なトルクで締め付けることで、ネジ本来の性能を最大限に発揮させることができます。

締め付けトルクの重要性

  • 締め付けトルクが不足すると、ネジが緩み、部品が外れる可能性があります。
  • 締め付けトルクが過剰だと、ネジや部品が破損する可能性があります。

トルク計算の基本式

締め付けトルクは、以下の式で計算されます。

トルク(T)= トルク係数(K)× ねじ径(d)× 軸力(F)

  • トルク係数(K):ネジの材質や表面処理によって決まる値
  • ねじ径(d):ネジの呼び径
  • 軸力(F):ネジを締め付ける力

早見表:代表的なネジサイズにおける推奨トルク値

ネジサイズ 推奨トルク値(N・m)
M3 1.0~1.5
M4 2.5~3.5
M5 5.0~6.0
M6 8.0~10.0
M8 20.0~25.0
M10 40.0~50.0

※上記はあくまで目安です。実際のトルク値は、ネジの材質や状態、使用環境などによって異なります。

トルク管理の注意点

  • トルクレンチを使用し、適切なトルクで締め付けます。
  • トルクレンチは定期的に校正し、精度を維持します。
  • ネジの材質や状態、使用環境に応じて、適切なトルク値を選定します。
  • 締め付け後、定期的にトルクを確認し、緩みがないか確認します。

4. ネジの材質と強度

ネジの材質と強度は、使用する環境や荷重条件に応じて適切なものを選ぶ必要があります。

代表的なネジの材質

材質 特徴 用途
鉄製ネジ 一般的で安価。強度が高いが、錆びやすい。 一般的な機械製品、建築材料など。
ステンレス製ネジ 耐食性に優れている。錆びにくく、高温や低温にも強い。 屋外で使用する製品、食品機械、医療機器など。
チタン製ネジ 軽量で強度が高い。耐食性、耐熱性にも優れている。 航空宇宙機器、医療機器、スポーツ用品など。

ネジの強度区分

ネジの強度区分は、JIS規格によって定められています。強度区分は、ネジの頭部に刻印された数字で示されます。

JIS規格に基づく強度区分

強度区分 引張強さ (N/mm²) 降伏点または耐力 (N/mm²)
4.8 400 320
8.8 800 640
10.9 1000 900
12.9 1200 1080

強度区分が高いほど、より大きな荷重に耐えることができます。ネジを選定する際は、使用条件に合わせて適切な強度区分を選ぶようにしましょう。

まとめ

製造現場におけるネジの選定は、製品の品質、安全性、耐久性を左右する重要な要素です。適切なネジを選び、正しく使用することで、製品の性能を最大限に引き出し、事故や故障のリスクを最小限に抑えることができます。

さいごに

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